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アライアンスのお誘い

第3章

異聞・見聞/奇譚

日本人は、今も、昔も、謙虚で、奥ゆかしく、優しく、勤勉で、嘘をつかずに約束は守るという高潔さで生きています。その心・精神が、「Happyケアメンテ®」の仕事流儀・仕事品質の根底に流れており、その視点から「温故知新・不易流行」に学んで、次世代を予見し、見通しを立てて、世の中への「役立ち」を、この第3章で説いてまいります。

1.緊急報告…人も、地球も息苦しそうです

幾度と述べてきましたが、国連の気象学術研究機関のIPCCは、地球温暖化によって、『人類の歴史に幕を閉じることになる』と、2023年3月に公式文書で警告しています。これを裏づけるように、2025年7月26日、50℃を超える気温がトルコ北西部ブルサで観測されました。ブルサは、今から700年前、オスマン帝国の最初の首都が置かれた都市です。すぐ近くには、ウルダ(2543m)山が聳え、その山裾野に広がる美しい自然が魅力の街で、歴史的建造物が多く遺され、2014年に世界遺産に登録されています。

そのブルサで、50℃を超える熱波で大規模な山火事が発生、2人が死亡、3500人以上が避難しています。また、熱波による乾燥に加え強風の影響で、トルコ国内では26日だけで84件の山火事が発生しています。数週間で少なくとも15人の死亡が確認されており、大規模な山火事は隣国のブルガリアでも発生して、各地で最高レベルの警報が発令されています。世界各地で、殺人的熱波に襲われ、人々が危険と隣り合わせで暮らしており、到底、他人事とは思えない惨事が世界のいたる所で発生しています。

日本では、2025年7月30日(水) 14時39分、兵庫県丹波市・柏原で最高気温が41.2℃まで上昇し、5年前の静岡県浜松市、埼玉県熊谷市の41.1℃を更新しました。さらに、2025年8月5日(水) 14時26分、群馬県伊勢崎市で41.8℃を観測し国内最高気温の記録を更新しました。このような世界の状況を観察していくと、地球の自然循環の立ち往生によって起きる自然災害が世界の人々の悲痛な叫び声になって聞こえてきます。

さて、産業革命(18世紀後半から19世紀にかけて)以降、人類の活動による温室効果ガスの排出を増加させ、地球の平均気温が上昇しています。

この気温上昇を抑制するため、パリ協定(Paris Agreement)は、2015年12月12日、フランスのパリで、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21…Conference of the Parties21)が開催され、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定が採択されました。

2015年のパリ協定では、1997年に採択された京都議定書以来18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みとして、気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加し、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より低く、1.5℃に抑えることを目標値として設定し合意に至ったのです。

ところが、2024年の世界の平均気温は、国際的な複数のデータによると、産業革命前から1.55℃上昇したと報告されており、パリ協定の目標を上回る状況になっています。

2025年は、昨年の2024年にも増して、深刻な状況が世界各地で起きており、パリ協定の目標達成のためには、温室効果ガスの排出量を大幅に削減し、気温上昇を抑制するための国際的な取り組みが不可欠になるのです。このような気温上昇は、異常気象の増加、海面上昇、生態系への影響など、さまざまな形で地球環境、私たちの生活や社会基盤を大きく揺るがすことが予測されます。どのような影響を及ぼすか、次に例を挙げます。

  • 異常気象の増加…熱波、干ばつ、豪雨、大型台風などの異常気象が多発し、人類にとって甚大な被害が拡大します。
  • 海面上昇…北極や南極の氷床が融解し海水面が上昇します。それによって、沿岸地域が水没し、多くの人が居住地を失うことになります。
  • 食糧危機…農作物の不作や漁獲量の減少により、食糧の供給不足が慢性化し価格高騰や飢餓につながる可能性があります。
  • 生態系の変化…生物の生息地が変化し、生物多様性の損失で絶滅危惧種の増大、海洋生態系への影響による回遊魚の回遊変化、サンゴ礁の死滅など、人類の生存に危険が迫ります。
  • 水資源の枯渇…干ばつ地域が増加し、生活用水や農業用水が不足し砂漠化が進行します。
  • 感染症の拡大…マラリアなど、気温上昇によって媒介生物の活動が活発になり、感染症が拡大する可能性が大きくなります。
  • 経済格差の拡大…先進国は温暖化対策や適応策に資金を投入できますが、途上国は経済的打撃を受け、その格差が拡大していきます。

以上のように、気温上昇は、地球全体で様々な問題を引き起こし、私たちの生活に深刻な影響を与えることになります。まさに、IPCCの『人類の歴史に幕を閉じることになる』という警告が色濃くなっています。

2.近未来の人口減少によって起こる社会・経済の激変を乗り超える発想

厚生労働省は令和7年2月27日、「令和6年(2024年)の出生人数は、72万988人で統計開始以来の過去最少を記録した」と発表しました。

さて、現在の「20代前半」の人口数と、20年後の「20代前半」の人口数を人口動態統計から見ていくと、1997~2001年生まれの5年間の出生数は約593万人であり、一方、2017~2021年の5年間の出生数は約438万人になっています。したがって、20年後には、現在の「20代前半」の人口26%が減少することになり、わずか、20年後には新卒者が、現在の新卒者数の75%に激減することになるのです。

新卒者の激減は、予測、予想ではなく現実に起こる実数値であることから適切な対策、施策を整えて、20年後に備える必要があります。さらに新卒者の激減に、コンピュータテクノロジーによる生成AIの進化が加わって、事業の再構築を念頭におく必要がでてきます。

激減する出生数、なお、その上に未曽有の高齢化が日本社会における近未来の経済構造、それに伴う機構、機能、制度に大変革をもたらすことが予測できるのです。

特に出生数の激減は、就業人口の減少に歯止めができず、年功序列や終身雇用の慣行が崩壊する反面、人生100年時代を反映して高齢者の就労が増加し、大企業も、中小企業も組織の秩序が乱れて不満や不安の影に脅かされる可能性がでてきます。

高度経済成長の人口増加をベースに描いたビジネスのあり方、生き方の価値観を根底から覆して、大量生産・大量消費の経営は夢のまた夢で儚く消えていきます。巷間、予期しない想定外のトラブルや問題が頻繁に発生して、政治、経済が停滞し、若年層が自信を失い閉塞感が漂うようになることが予測されるのです。

そして、若年層の激減と、一方では、現行の年功序列や終身雇用に勢いが増し、また、定年年齢の引き上げによって起こる矛盾が表面化し、組織の無秩序化が起こることも予測できます。こうなると、若年層に心理的な圧迫感が生じて労働意欲を喪失し、社会や企業組織内に新風が吹くどころか、生産性向上の妨げになってマンネリに陥り、企業の勢いや活力が失われ、新しいアイデアも生まれなくなり、まさかの坂を転げ落ちることが懸念されます。

出生人口の激減、高齢化社会は、人々の価値観を劇的に変化させ、ヒト・モノ・カネが流動しなくなり消費活動に行き詰まりがきて、今日まで、日本の経済成長を支えてきたデパート、ショッピングモール、量販店、コンビニ、自動車、家電品、銀行・保険(金融)、建築、不動産、運輸、宿泊観光など、全業種業界で閉店・閉業ラッシュが起き、加えて、教育機関の崩壊が心配されるようになります。このような超減速経済による閉店、閉業ラッシュを乗り超えるには、高度経済成長の人口増加を前提にした商品やサービスの構成では、市場が受け入れなくなるのは火を見るより明らかです。

よって、市場が受け入れやすい商品、サービス構成を考案する必要に迫られます。それには、「本物の真・価値」を創造する以外に手立てを見出すことはできないとするのが、筆者の持論です。つまり、どこを切っても金太郎飴のような大量生産・大量消費・大量廃棄の薄利多売の商品、サービスから脱却し、新しい発想による高付加価値の原理・方法のモノ=商品、コト=サービスを生み出さなければ生き残りが難しくなります。

上述してきたように、出生人口の減少、高齢化によって就業人口の減少に歯止めがかからず、製造業、サービス業に従事する人手不足は慢性化し、社会が機能しなくなることが予測されるのです。よって、生産を抑制して利益を大きくする方法に転換する対策、施策を講じなければ企業の存続が危ぶまれることになります。であるとするなら、大量生産・大量消費の「薄利多売」から、適量生産・適量消費の「厚利少売」に切り換える必要が出てきます。

例えば、ドイツの自動車メーカーのフォルクスワーゲンとポルシェを比較すれば理解が深まります。2013年のフォルクスワーゲンの販売台数470万台、ポルシェ16万台、フォルクスワーゲンの営業利益3994億円で、ポルシェは3559億円です。

ポルシェは、フォルクスワーゲンの30分の1の販売台数で、フォルクスワーゲンとほぼ同じ営業利益を稼いでいるのです。

さらに、2020年を比較してみると、フォルクスワーゲンの販売台数は、532万台、営業利益590億円(2019年の営業利益4920億円)で、一方のポルシェは、2020年の販売台数は27万台、営業利益5527億円でした。

ポルシェは、フォルクスワーゲンが販売する5%の販売台数で、フォルクスワーゲンの10倍の営業利益を稼いでいるという、この実態を、どう分析し、どう評価するかです。

ここに車という本物の真・価値があり、本物を評価するヨーロッパに古代から根づいている独特の文化があります。古くからある伝統、文化でありながら、実は先駆けであり先鞭の新しい本物の真・価値なのです。

論語の為政篇にある「温故知新」、俳聖芭蕉の「不易流行」に通じるものがあり、大量生産・大量消費・大量廃棄から、高付加価値のモノ=商品、コト=サービスが生まれることは「無い」と言える証左です。何処を切っても金太郎のモノ=商品、コト=サービスでは、誰でもが日常的に、何処にいても、手に入るので見向きもされなくなる可能性が大きいのです。

人口減少の時代は薄利多売ではなく、「厚利少売」の希少的価値による「本物の真・価値」を創造したモノ=商品、コト=サービスが市場から求められようになるのです。

本物の真・価値によるモノ・コトを実現させるには、循環する自然界の摂理に生きる『人間思考=世の中への役立ち』と、本物の「美」を求めて止まない『アート・芸術思考』の二つの思考で構成され、それをサポートする手段、方法(メソッド)に工学的・科学的・多次元(メビウス循環…エビデンスデータの組合せ)的アプローチによる技術とコンピュータテクノロジーを融合・一体化したものによって完成されるというのが、半世紀かかって得た筆者の答えです。

それには、モノ=商品を「もったいない・あきらめない・捨てない」で循環させるという地球環境保全の概念を採り入れた高付加価値の本物のモノ=商品、コト=サービスを産み出すことが不可欠です。テレビ番組などで「断・捨・離」が持て囃され、日本人が、その昔から持っている「もったいない」精神など、どこ吹く風で、経済最優先の大量生産・大量消費・大量廃棄に歯止めが掛からないので地球環境も壊れていく一方になります。

古くから受け継いでいるモノ・コトを大切に伝承し伝統を受け継いで、文化として遺していくことが「本物志向」と言えるものです。人間が歴史の中で創造してきた「アート・芸術」の「美」における「本物」を破壊してしまうと、二度と元に戻すことはできません。

したがって、人間が培ってきた本物志向による「アート・芸術」の「美」と、経済、自然環境保全を融合させた世の中を造っていくことが、今、生きている我々の責務であり、それが「もったいない・あきらめない・捨てない」の本物の真・価値になるのです。地球あってのモノダネです。地球を壊してしまったのでは、社会、経済が成り立つ道理はなく、人類の生存を危うくすることになるだけです。

3.「もったいない」の心とは?

「Happyケアメンテ®」は、茶所で有名な京都/宇治で生まれ育っています。その京都人の粋な生き方に「京の着だおれ」があります。

昔から京都人の「衣」に対する執着は特別だったようです。「江戸の呑みだおれ」や「大阪の食いだおれ」と並び、「京の着だおれ」と江戸期から呼ばれていたと言われます。

ところで、「着だおれ」とは、「着物に贅沢をして財産をなくすこと」という解釈があるようですが、「京の着だおれ」の本来の意味は、「上質な着物を最後まで大切に着続ける」という褒め言葉が根づいて衣文化になっています。

一説によれば、上質な白い反物を買い求め、それを仕立てて着たのち、濃い色に染め替えながら、とことんまで着倒すことが「着だおれ」の語源だといわれています。つまり、衣服には魂が宿っているという考えを文化として整え、一方では日々の暮らしに溶けこませているのです。その精神や文化は、なんといっても京都の人々の心持ちが支えてきたものであり、言い換えれば、派手さや艶やかさの裏にある「始末屋」の精神であり、「もったいない・あきらめない・捨てない」と思う自然を愛する心です。

この衣文化は、花街の艶やかさから、茶の侘び・寂びにいたるまで、実に多彩で幅広い領域で花開き、日常生活のなかに、さり気なく、それでいて深く根づいているのが京都という土地柄です。

こうした京都人の生きる心持ちは、和装をはじめとして文化やそれを支える技術が、さまざまな産業に受け継がれています。古いものを大切にしながら、そこに安住するのではなく、常に挑戦や試行錯誤を繰り返し、古くからの伝統に、新しさを生みだそうとする力が働いているのが京都の風土であり「温故知新・不易流行」を実践しているのです。

そこで “もったいない”とは、何を意味し、何を指しているのか余談ながら考えてみます。広辞苑には、「物の本体を失する意、むやみに費やすのが惜しい」とあります。その物が持つ命の価値を使い切らずに、命を粗末にするという意味に解釈することができます。

漢字では「勿体ない」と書きますが、「勿」は物と同じで、勿体は、物の本体・本質という意味で、物々しいとか、重々しいとか、値打ちのあるような意味に使われます。そこから転じて、尊大なとか、偉ぶった様子の意味を持つ「もったいぶる」として使うようになったのではないかと…考えられるのです。

この「勿体ない」は、物やサービスの命を粗末にしてはならない、最後まで、命に感謝して使い切ることで、地球環境は救われるということになるのです。

これが「Happyケアメンテ®」の「もったいない・あきらめない・捨てない」が、衣文化であり日本の伝統です。それが、「Happyケアメンテ®」の「美の花」を咲かせることと同義になるのです。つまり、服飾品の「勿体」の使命、役割、目的が果たされないまま捨てられないようにするのが「Happyケアメンテ®」の仕事品質であり、仕事流儀です。服飾品の命に感謝して、ラグジュアリー・ハイブランド服飾品の命を最後まで使い切ることで、ファッション服飾品の命が救われることになるのです。

服飾品の命を救うということは、新品同様に蘇らせることと同義であり、新品同様の状態を百年単位で着用・愛用できるようにしたのが「Happyケアメンテ®」です。その実績は、100年以上前、明治中期の明治天皇の浴衣、有栖川宮家のご息女/喜久子殿下の着物を2019年(令和元年)に蘇らせることに成功しており、この実画像は、「Happyケアメンテ®」ホームページ上のWEBマガジン『幸』で公開しています。

「Happyケアメンテ®」は、ラグジュアリー・ハイブランド服飾品の命を救うために、第2章の1、2項で説明した工学(技術)的、科学(仕組み)的、多次元(メビウス循環…エビデンスデータの組合せ)的なアプローチであり、それを半世紀かけて研究開発し、百年単位で着用・愛用できるように「本物の真・価値」を造りあげたのです。

そして、自然・宇宙・天体に畏敬の念を払い、大切に守って生かさなければ、、人類の歴史に幕を閉じることになりかねません。努々、「もったいない・あきらめない・捨てない」の心を忘れることがあってはなりません。

包みを笑顔でお渡しする様子

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