■「もったいない」って、なんだろう?
「Happyケアメンテ®」は京都で生まれ育っています。京の都は、桓武天皇によって延暦13年(794年)に長岡京から遷都され、千二百年の歴史があることは誰もが知るところです。千二百年の歴史は独特の衣・食・住の文化を育んでおり、特に、京都の表現に「京の着だおれ」が慣用句として使われ、江戸期から衣文化として親しまれています。
通説には「京の着だおれ」は、贅の限りを尽くして財産を潰してしまうと解釈されているようですが、本当の意味は、「上質な着物を最後まで大切に着続ける」という褒め言葉が根づいたもののようです。
一説によると、上質な白い反物を買い求め、それを仕立てて着たのち、濃い色に染め替えながら、とことんまで「着倒す」ことが「着だおれ」の語源だといわれています。衣服は分身であり、自分の魂が宿っているという考えを文化として採り入れ、一方では日々の暮らしに溶けこませているのです。
その精神や文化は、なんといっても京都人の心持ちが支えてきたものであり、この衣文化は、茶の侘び・寂び、能楽の芸能から花街の艶やかさにいたるまで、実に多彩で幅広い領域で花開き、日常生活のなかに、さり気なく、それでいて深く根づいているのが京都という土地柄です。こうした京都人の生きる心持ちは、古いものを大切にしながら、挑戦や試行錯誤を繰り返す中に、新しさを生みだす力が京風土として培われているのです。
言い換えれば、派手さや艶やかさの裏にある「始末屋」の精神であり、「もったいない・捨てない」と思う自然を愛する心です。
そこで 『もったいない』とは、何を意味し、何を指しているのかを考えてみます。
漢字では「勿体無い」と書きますが、「勿」は物と同じです。勿体は、物の本体・本質という意味で、物々しいとか、重々しいとか、値打ちのあるような意味に使われます。つまり、物の本体・本質の命が“尻切れトンボ”のように使われて捨てられるのは「勿体無い」ということになります。
そこから転じて、命の尊大な、偉ぶった様子の意味を持つ「もったいぶる」として使われるようになったのではないかと…考えられるのです。
それでは、「もったいない」に目を転じると、…。
家族三人、水入らずで晩ご飯を食べている時のことです。 子供は幼稚園児で、やっと、お箸が使えるようになった頃です。 とは言え、まだまだ使いこなせるというところまでいきません。
お母さんは、お箸の練習にもなるだろうと思って、お父さんの田舎から送られてきた京丹波の黒豆を煮込みました。
お母さんは、艶やかに、ふっくらと煮こんだ美味しそうな京丹波黒豆を副食の一品として盛りつけたのです。
テーブルには、黒豆を摘まむための“取り箸”が添えられています。取り箸は、杉の柾目の上等な割り箸です。その取り箸を「もったいぶって」持って、ふっくらとした黒豆を摘まんで取り皿に寄せようとしたとき、ふっくらした黒豆は見た目よりシッカリしていて、お箸に不慣れな幼稚園児は上手に掴めず、慌ててしまい黒豆と割り箸をポトリと床に落としてしまったのです。
こうなると、黒豆も割り箸の両君は汚れたから仕方なく捨てられることになります。しかし、黒豆君も割り箸君も、この世に生まれてきたのは、黒豆君は人に食してもらうために、割り箸君は、食事のお手伝いをするためが目的に生れてきたのです。
つまり、黒豆君、割り箸君の目的が「勿体」です。であるなら、黒豆君、割り箸君の使命、役割、目的を果たさないまま捨てられるのなら、それは、悲しい生涯ではないでしょうか。
黒豆君、割り箸君は捨てられる瞬間、黒豆君、割り箸君の頭には、きっと、故郷の親しい仲間に想いを馳せ、懐かしい山や川の風景が浮かんだに違いなく、黒豆君、割り箸君の気持ちになれば、このまま捨てられるという運命に得心できるものではないはずです。それが、黒豆君、割り箸君の「もったいないの心」ではないかと思うのです。
この「勿体無い」は、物やサービスの命を粗末にしてはならない、最後まで、命に感謝して使い切ることが「世の中への役立ち」であり、その役立ちによって地球は救われるということになるのが自然循環を守るという考え方です。
これは「Happyケアメンテ®」の「衣文化サービス価値=Happyルネサンス」であり、「美の花」を咲かせることと同義であり、それが「Happy百年の計」の道筋にあります。
つまり、服飾品の「勿体」の命が果たされるまで、着続けられる、持ち続けられるようにするのが「Happyケアメンテ®」の仕事で役割り、使命です。服飾品の命に感謝して、服飾品の命を最後まで使い切ることで、服飾品の命である動植物の「勿体ない」の命が全うされ救われるのです。
お洒落が大好きで知的な人たちは、自然をこよなく愛し、生きとし生きる動植物の命を犠牲にして服飾品が作られていることを、よくよく承知してファッションを楽しんでおられます。そして、お洒落で知的な人たちは、動植物の「もったいない」尊い自然界の命を大切に循環させることで、大量生産・大量消費・大量廃棄に歯止めをかけ、動植物の命を必要な分だけ有効に活用することで、適量生産・適量消費・循環へ移行して温暖化効果ガスCo2削減に繋げたいとしているのです。
クリーニングの「出来ない」を「出来る」にChangeした「Happyケアメンテ®」の「あきらめない・もったいない・捨てない」がラグジュアリー服飾品の命を蘇らせるのです。それが、「Happyケアメンテ®」の「あきらめない・もったいない・捨てない」の仕事流儀で、地球環境保全と併せて、ラグジュアリー服飾品の次世代型マーチャンダイジングに必要不可欠になっていくのです。
服飾品の命を蘇らせる仕事流儀を、イノベーションやレボリューションと呼ばれる「本物」の真・価値に置き換えたのが、デジタルテクノロジーによる工学(生産技術)的、科学(サービス仕組み)的アプローチの串刺し一元データ管理システムを半世紀かけて研究開発し、「本物」の真・価値に仕立て上げたのが「Happyケアメンテサービス®」です。
さて、2025年、今冬における雪害も厳しく、地球規模で起きている地球温暖化はCo2ガスの排出によって、日々刻々、自然環境が悪化していることは知られるところです。
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そういう状況の中で、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、服飾産業界のCo2排出量が全産業の10%を占め、世界で2番目の環境汚染産業であるとし、また、服飾産業界が廃棄する服の量は年間9200万トン(1秒間にゴミ収集車1台分)にも達していると指摘しています。
これを受けて服飾産業界は、大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却するために、2019年8月フランスのビアリッツG7サミットで、グッチ、バーバリーが先導して衣服を廃棄しないという「ファッション協定」を締結し、その後、フランス政府は、2023年10月から衣服や靴の廃棄を削減するために、個人向けに修理補助金を支給するとしました。

続いて、欧州議会とEU加盟国は、2023年12月に、売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、廃棄物を削減するための新たな法律を制定しています。
服飾産業界の矛盾は、服飾品を大量廃棄している一方で、服飾品の過剰な大量生産を繰り返していることです。ファッション協定も、欧州議会の新たな法律も、この矛盾を解消し、売れ残った服飾品の廃棄を禁止することで「必要以上の大量生産」を抑制し、不要になったり着用できなくなった服飾品を修理・リサイクルして長く活用することを奨励するようになったのです。
この欧州議会の「衣類廃棄禁止法」は、EUだけでなく世界に同じようなルールが制定されることが予測できます。服飾産業界では、「Happyケアメンテ®」の新品同様を維持する「ケアメンテ®技術」に期待を寄せ、また、一般的なクリーニングサービスでは対応できない再生産の「Happyリプロン®」技術(ヴィンテージ品の“いぶし銀”の良さを引き出す技術を含む)で、拡大し続けている中古品市場(日経新聞…2024年12月23日の掲載記事で2026年には中古品市場が1兆4000億円に拡大)においても、「Happyリレーサイクル®」による循環経済(サーキュラーエコノミー)のフリマサービス「Happyサイフル®」に熱い視線が向けてられています。
このように見ていくと、服が捨てられる理由は「飽きたから…」という理由が主流ではなく、「着続けたいけれど、クリーニングでキレイにならないから手放すしかない。もし、キレイになるなら、良い服やカバンを着続けたい、持ち続けたい、買い足してお洒落を楽しみたい」とするのが、お洒落な人たちが持っている本音のようです(当社のお客様の声)。
このような考察を深めていくと、服飾品が廃棄されるのは、「クリーニングでキレイにならないから捨てる」ことが原因になって、服飾品の過剰な大量生産・大量消費・大量廃棄に拍車がかかっているかも? という推測が成り立つのです。
着られなくなったから新しい服を買うのではなく「安心して長く着続けられるから、いい服を買い足す」。そして「次の世代へバトンしていく」という循環による適量生産・適量消費が「本物」の真・価値として「Happyケアメンテ®」の必要性が本格的になると予測しています。つまり、クリーニングの「出来ない」を「出来る」にした「本物」の真・価値「Happyケアメンテ®」によって、服飾産業界の大量生産を適量生産にChangeできる展望が開けようとしているのです。

このようなことから地球温暖化の原因を検証していくと、例えば、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンとポルシェの販売台数と営業利益を比較することで、「なるほど」の答えを導くことができます。
2020年のフォルクスワーゲンの販売台数は532万台、ポルシェ27万台、この時のフォルクスワーゲンの営業利益590億円(2019年の営業利益4920億円)で、ポルシェは5527億円を計上しています。これを、どう分析・解析し、どう評価するかですが、一言で言えば、本物の「技術価値」によって適量生産・適量消費の社会を構築し、それによって収益の好循環を構築していくことで、暮らしやすい未来社会が創出できるのです。
こう考えれば「Happyケアメンテ®」が、クリーニングの「出来ない」を「出来る」にした「本物」の真・価値で、服飾産業界は、世界で2番目の環境汚染産業の汚名を返上することができる可能性が生まれてきます。これは、「ポルシェ」の価値創造と同様の「Happyケアメンテ®」が服飾産業界の大量生産に歯止めをかけ、欧州議会とEU加盟国の「衣類廃棄禁止法」をバックアップして、適量生産を推進していくことになるからです。
生産者と消費者はもちろんのこと、服飾産業界も含めて、地球環境に優しく、人類が「Happy」になる関係を築くのが「Happyケアメンテ®」の持続開発可能な仕事流儀という訳です。当社「Happy」は、このような「Happy=幸福」度を世界へ広げるために「着捨てる・使い捨てる」から「愛用・着用し続ける」の「あきらめない・もったいない・捨てない」の古いようで、新しい「京の着だおれ」を「衣文化ルネサンス」として復活させて「Happy百年の計」に繋いでまいります。
経済と自然を融合させ、人類が豊かに存続し、人類が平和に、共存共栄、共生、共創する「あきらめない・もったいない・捨てない」による「衣文化ルネサンス」で、「Happyケアメンテ®」の「本物」の真・価値による未来社会(Happy百年の計)を拓いてまいります。
一流企業に育てる…「衣文化ルネサンス」を一緒に開花させませんか
当社「Happy」が目指す一「流企業とは?」を紐解くと、株式を上場するような有名企業になることは、もちろん大切ですが、一般的な社会評価だけでなく、当社「Happy」の本物の「真・価値」追究で生まれた“クリーニングの「出来ない」を「出来る」”にした「世の中への役立ち」の思想、哲学、理念を実践する「仲間」によって形成された企業が「一流企業」であると認識しています。
「仲間意識」は、
ダイバーシティ …多様性の価値を認めあい
インクルージョン …包摂的に多様な価値や考え方を認め平等に機会が与えられ一体感を持って働き
ビロンギング …滅私奉公ではなく個性を生かせる場所が、ここにある
エクイティ …学閥、門閥、閨閥など、価値観の不均衡を是正することで完成
言い換えれば、個人・個性を活かしながら心地良い環境を仲間と「事実・真実」を共有し、行動・考動による「実現」に対して制約のない自由な組織の中で、能力を思う存分発揮して「結果、成果」を産み、個人の生活を豊かに、且つ、人生をエンジョイでき、経済的・時間的・精神的に余裕(ユトリ)のある組織が「一流企業」の条件であると考えています。
それには、個人のプライベート余暇時間の拡大、個人所得の増加、生きる目的と人生の「働く」ことを一体化させながら、滅私奉公でない労働環境をつくることが経営の使命であり、それが「世の中への役立ち」であり一流企業の為せるところです。
仲間が仲間を支え合い切磋琢磨できる労働環境を整えることで、先で述べた「京の着だおれ」の最先端を行く現代版「京の着だおれ」が「あきらめない・もったいない・捨てない」の「本物」の真・価値を生んで、「Happyケアメンテ®」が追究する「Happyルネサンス」に至って「美の花」が開花することになります。
口に出さなくても、一人一人が、服飾衣文化の「Happyルネサンス」を意識し、生きることを喜び=生きる目的と人生、働く楽しみ、森羅万象の命を全うするという「美の花」を世界に向けて発信し、地球環境を守っていくというラポール(心の懸け橋で繋がっている)による仲間づくりです。この仲間づくりが激変する世界情勢から影響を受けない当社「Happy」の「負けない発想」の原点、源流になっています。
江戸後期、米澤藩の上杉鷹山が著した「為せば成る為さねばならぬ何ごとも成さぬは己が為さぬなりけり」を信条として藩政改革を行いました。
また、南米エクアドルの『ハチドリ(ハミングバード)のひとしずく』の寓話にあるように、『アンデスの森が燃えていました。森の生きものたちは、われ先にと逃げました。でも、ハチドリだけは行ったり来たり、小さな嘴で水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます』。動物たちは、それを見て『そんなことをしていったい何になるの!?』と言って笑います。ハチドリは、こう答えます『私は、私にできることをしているだけ』と…。
当社「Happy」は、ハチドリと同じように驕り昂ることなく「本物」の真・価値の「もったいない」の一滴の水を流し続けて、「Happyルネサンス=新・衣文化サービス」の「美の花」を咲かせてまいります。そして、「Happyルネサンス」を『the Change・Happy百年の計』に繋ぎ、世の中に深く静かに浸透して、真に「世の中に役立つ」一流企業創造に取組んでいます。
当社「Happy」に関わる全てのステークホルダーの方々も「本物」の真・価値「衣文化ルネサンス」を共に開花させて、我われの暮らす地球を健康なままで次世代に繋いでいくことに、ぜひ力を貸してくだることをお願いいたします。