シンポジウム「クリーニング業界に警鐘を鳴らす」
過日開催されたシンポジウム「クリーニング業界に警鐘を鳴らす」に、多くのご参加ありがとうございました。内容の一部をこちらにご報告いたします。
第一部:アンケート結果報告
第ニ部:小講演会 阿部絢子先生
小講演会 若林美文氏
第三部:パネルディスカッション
■ シンポジウムまとめ
平成16年1月に株式会社ハッピーが調査したクリーニング1000人アンケートによって、45%もの人が「クリーニングに対して不満」を持っていることがわかりました。また、不満の理由69%を占める「シミ、汚れが落ちていない」を始め、さまざまな理由があげられました。このアンケート結果と消費者からの質問事項をもとに、パネルディスカッションを行い、さまざまな問題点が浮き彫りになりました。
■ 第三部:パネルディスカッション
パネルディスカッションではクリーニングにおけるさまざまな問題が指摘されました。
主な意見をご紹介します。
●クリーニングのデラックスとレギュラーの違いは?
処理内容はデラックスもレギュラーもまったく一緒、仕上げに少しだけ手作業が入ったりハンガーが立体ハンガ―になっているだけ。
● 「汚れが取れません」というラベルが付いていたのに、家でもみ洗いをするとキレイになった。どうして?
汚れが取れませんでしたという“タグ”は、クリーニング店がそれ以上の処理をして失敗した場合に弁償をするのを恐れて“タグ”を付けているもの。汚れを落とすためには、消費者、アパレル、クリーニング業界が情報交換を行い、逃げずに問題を追求する必要がある。
● ブランドものの高級スーツを出そうとしたら、大手クリーニング店に断られた。
アパレル側の情報開示と、クリーニング業界の技術の向上が必要。
● 汚れの場所を伝えたけれどちゃんと伝わっているかしら?
● クリーニング店が個々の衣料のカルテをつくり、情報開示ができる部分、洗い方を消費者に開示すべき。
● 今後のあるべきクリーニング業界、およびクリーニング店のあり方
・クリーニング業界は消費者のニーズを分析し、改善していくべき。
・消費者は、自ら衣類に対して理解を深め、クリーニングに対しても意識を高めていくべき。
・消費者の考え方が変わらないとクリーニング業界全体のレベルアップは難しい。
最後に、クリーニング店を客観的に評価するミシュランの三つ星のようなものが必要である、今後も継続的に消費者がクリーニング業界やアパレルと話し合えるこのようなシンポジウムを継続していく必要がある、などの意見が出ました。
クリーニング業界全体の底上げが望まれている事をひしひしと感じる内容となりました。
■ シンポジウム閉会の挨拶
今回のシンポジウムでは、クリーニング業界が、消費者の目線に立った仕事をしていないと実感していただけたようです。ただ、残念なことにシンポジウムに参加したクリーニング店様からは「私たちもハッピーと同じ考え方でやっている」、「クリーニング業界を変える必要はあるが、自分はやっている」という意見が寄せられました。
自分なりに自分の技術でやれるところまでやれば「自分はやっている」ことになるのでしょうか。
このような「自分は・・・。自分が・・・。」という考え方が、クリーニングの不正商法の温床になっていると再認識する必要があります。パネラーのご指摘からも、それが窺えました。しかし、寄せられた手紙からクリーニング業界には自浄作用が皆無のようにも思います。
私たちハッピーは、今回のシンポジウムを通して、消費者の方々が安心して利用していただけるようにクリーニング業界全体の底上げをする必要があると感じました。
シンポジウム全体のご意見から、当社の技術を、このまま、ハッピーだけの技術にしてしまうことは「社会の損失ではないか」という責任も併せて痛感しております。
同時にクリーニングの不満市場は、ハッピーだけで「解決できない」大きさになっていることも実感しております。
結論として、ハッピーの持っている、「基礎技術の公開」が必要ではないかと考え始めています。
*講演会のご依頼はお電話にてお申し出ください。
TEL 0774-28-1288