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ケアメンテ®の技術

ドイツ・ニーダーライン大学での試験結果

ニーダーライン大学とは

ニーダーライン大学

紡糸から衣服までを生産する設備を持つ、繊維・服飾分野では著名な大学。ドイツ10大専門大学のひとつ。
試料: ファブリックサンプル(ウール)1枚、ファブリックサンプル(シルク)1枚
以下の汚れが付着したウールおよびシルク生地のクリーニング効果の確認

1a  ワイン
1b  ケチャップ
1c  潤滑油
1d  血液
1e  化粧品
1f  標準的な汚れ

クリーニング工程は株式会社ハッピーによって実施された。すべての試験および検査は、それぞれの汚れを付着させたファブリックタイプ各1枚のみに行われた。

以下の試験結果を提出する:
赤ワインのシミをクリーニングした場合に、シルクファブリックとウールファブリックサンプルのオフホワイトがわずかに白色に変化している(ファブリックはニーダーライン大学がハッピーに提供したものである)。

ニーダーライン大学の試験結果報告書 この洗浄テストは、株式会社ハッピーにて下記の要領で行われた。

●試験日
2006年8月4日(金)

●試験布
下記の汚れが付着されたウール及びシルクの生地
<汚れの種類>
・赤ワイン
・ケチャップ
・潤滑油
・血液
・化粧品
・標準の汚れ
※ 試験布提供者…ドイツ、NRW州立ニーダーライン大学

●洗浄条件
洗浄機械…無重力バランス洗浄方法による、無重力ゼロG洗浄機械
水系洗浄…洗浄時間(5分)
濯ぎ時間(2分)
洗浄温度(40℃)
洗浄洗剤…ハッピーの洗浄洗剤(企業秘密)

走査型電子顕微鏡検査

汚れがついたすべてのサンプルの検査し、未処理のシルクおよびウールファブリックと比較したところ、以下のような結果が得られた。

シルクファブリック

100μm倍率の走査型電子顕微鏡での外観を判断すると、汚れを付着させ、その後にクリーニングを行ったシルクファブリックのサンプルでは、繊維表面の外観が大きく変化するはずである。しかし、株式会社ハッピーによる洗浄方法においては、シルクファブリック表面の外観をほとんど変化させていないのは明白であった。わずかにあった変化の度合いが一番大きかったのがケチャップで汚したサンプルで、一部シルク繊維の攣縮が見られた。続いて、潤滑油で汚してクリーニングしたサンプル、その次がワインで汚して、クリーニングしたサンプルである。
ワイン、血液、化粧品(ただし、肉眼でのみ検出でき、顕微鏡では検出されない化粧品の痕跡が多少残る)および標準的な汚れを付着させたサンプルの変化はごくわずかである。

次に画像処理を示す。

  • シルク
  • 処理前
  • 処理後
  • 処理後(100μm)
  • 処理後(500μm)
  • 原布
  • 原布
  • 原布:100μm
  • 原布:500μm
  • 血液
  • 血液:処理前
  • 血液:処理後
  • 血液:処理後(100μm)
  • 血液:処理後(500μm)
  • 化粧品
  • 化粧品:処理前
  • 化粧品:処理後
  • 化粧品:処理後(100μm)
  • 化粧品:処理後(500μm)
  • モーターオイル
  • モーターオイル:処理前
  • モーターオイル:処理後
  • モーターオイル:処理後(100μm)
  • モーターオイル:処理後(500μm)
  • ケチャップ
  • ケチャップ:処理前
  • ケチャップ:処理後
  • ケチャップ:処理後(100μm)
  • ケチャップ:処理後(500μm)
  • ワイン
  • ワイン:処理前
  • ワイン:処理後
  • ワイン:処理後(100μm)
  • ワイン:処理後(500μm)
  • 標準の汚れ
  • 標準の汚れ:処理前
  • 標準の汚れ:処理後
  • 標準の汚れ:処理後(100μm)
  • 標準の汚れ:処理後(500μm)

ウールファブリック

各ウールサンプルの写真比較より、スケールの傷が1箇所生じた、ケチャップの汚れのクリーニング工程は、ウール繊維に多少の損傷を引き起こす可能性が示唆されるが、その他すべての汚れのタイプは、損傷や変化の痕跡を残すことなく、洗浄によりきれいに消えている。

次に画像処理を示す。

  • ウール
  • 処理前
  • 処理後
  • 処理後(100μm)
  • 処理後(500μm)
  • 原布
  • 原布
  • 原布:100μm
  • 原布:500μm
  • 血液
  • 血液:処理前
  • 血液:処理後
  • 血液:処理後(100μm)
  • 血液:処理後(500μm)
  • 化粧品
  • 化粧品:処理前
  • 化粧品:処理後
  • 化粧品:処理後(100μm)
  • 化粧品:処理後(500μm)
  • モーターオイル
  • モーターオイル:処理前
  • モーターオイル:処理後
  • モーターオイル:処理後(100μm)
  • モーターオイル:処理後(500μm)
  • ケチャップ
  • ケチャップ:処理前
  • ケチャップ:処理後
  • ケチャップ:処理後(100μm)
  • ケチャップ:処理後(500μm)
  • ワイン
  • ワイン:処理前
  • ワイン:処理後
  • ワイン:処理後(100μm)
  • ワイン:処理後(500μm)
  • 標準の汚れ
  • 標準の汚れ:処理前
  • 標準の汚れ:処理後
  • 標準の汚れ:処理後(100μm)
  • 標準の汚れ:処理後(500μm)

寸法安定性

クリーニング工程ごとの寸法安定性の変動

ウール:
たていと
ウール:
よこいと
ウール:
ファブリック
ワイン -2.0% -1.0% -1.5%
ケチャップ -1.6% -0.9% -1.3%
潤滑油 -0.5% 0% -0.3%
血液 -0.9% -1.3% -1.1%
化粧品 -1.3% -1.0% -1.2%
標準的な汚れ -1.0% -1.2% -1.1%
シルク:
たていと
シルク:
よこいと
シルク:
ファブリック
ワイン -1.5% -1.5% -1.5%
ケチャップ -1.3% -0.7% -1.0%
潤滑油 -0.2% -0.3% -0.3%
血液 -1.4% -1.7% -1.6%
化粧品 -1.7% -1.1% -1.4%
標準的な汚れ -1.6% -1.4% -1.5%

さまざまな汚れを付着させたウールとシルクファブリックのサンプルのクリーニング工程は、ファブリックの寸法に多少影響している。したがって、いかなる場合でも寸法安定性の変動が生じる。ウールファブリックの場合、赤ワインのしみのクリーニング工程で1.5%の収縮が生じている。血液で汚したシルクファブリックのクリーニング後は、1.6%の収縮が見られた。

表面粗さ

ウール
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
平均摩擦係数 たていと 0.22 0.22
よこいと 0.24 0.24
摩擦係数の平均偏差 たていと 0.03 0.03
よこいと 0.05 0.06
表面形状 たていと 6.43μm 10.35μm
よこいと 8.69μm 5.79μm
シルク
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
平均摩擦係数 たていと 0.19 0.19
よこいと 0.16 0.19
摩擦係数の平均偏差 たていと 0.08 0.03
よこいと 0.02 0.01
表面形状 たていと 5.56μm 9.41μm
よこいと 3.81μm 3.14μm

表に示すように、試験を行ったファブリックの表面形状は、赤ワインの汚れのクリーニング工程によってわずかに変化したが、摩擦係数は影響を受けなかった。

曲げ挙動

ウール
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
曲げ剛性 たていと 5.15μN*m 5.83μN*m
よこいと 3.40μN*m 4.04μN*m
曲げヒステリシス たていと 0.14mN 0.29mN
よこいと 0.08mN 0.17mN
シルク
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
曲げ剛性 たていと 16.45μN*m 2.53μN*m
よこいと 4.28μN*m 1.75μN*m
曲げヒステリシス たていと 0.48mN 0.10mN
よこいと 0.18mN 0.06mN

ウールファブリックの曲げ挙動はクリーニング工程によって変化していない。シルクファブリックは柔軟性を増している。

剪断挙動

ウール
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
剪断剛性 たていと 18.83N/m*rad 24.45N/m*rad
よこいと 17.70N/m*rad 23.60N/m*rad
0.5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.25N/m 0.68N/m
よこいと 0.24mN 0.69mN
5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.37N/m 1.12N/m
よこいと 0.36N/m 1.17N/m
シルク
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
剪断剛性 たていと 15.17N/m*rad 17.98N/m*rad
よこいと 15.17N/m*rad 16.86N/m*rad
0.5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.05N/m 0.34N/m
よこいと 0.07mN 0.28mN
5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.38N/m 0.91N/m
よこいと 0.41N/m 0.77N/m

ファブリックサンプルの剪断挙動では、剪断剛性値および剪断ヒステリシス値のわずかな上昇が見られた。

曲げ挙動

ウール
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
曲げ剛性 たていと 5.15μN*m 5.83μN*m
よこいと 3.40μN*m 4.04μN*m
曲げヒステリシス たていと 0.14mN 0.29mN
よこいと 0.08mN 0.17mN
シルク
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
曲げ剛性 たていと 16.45μN*m 2.53μN*m
よこいと 4.28μN*m 1.75μN*m
曲げヒステリシス たていと 0.48mN 0.10mN
よこいと 0.18mN 0.06mN

ウールファブリックの曲げ挙動はクリーニング工程によって変化していない。シルクファブリックは柔軟性を増している。

剪断挙動

ウール
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
剪断剛性 たていと 18.83N/m*rad 24.45N/m*rad
よこいと 17.70N/m*rad 23.60N/m*rad
0.5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.25N/m 0.68N/m
よこいと 0.24mN 0.69mN
5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.37N/m 1.12N/m
よこいと 0.36N/m 1.17N/m
シルク
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
剪断剛性 たていと 15.17N/m*rad 17.98N/m*rad
よこいと 15.17N/m*rad 16.86N/m*rad
0.5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.05N/m 0.34N/m
よこいと 0.07mN 0.28mN
5度での
剪断ヒステリシス
たていと 0.38N/m 0.91N/m
よこいと 0.41N/m 0.77N/m

ファブリックサンプルの剪断挙動では、剪断剛性値および剪断ヒステリシス値のわずかな上昇が見られた。

弾性

ウール
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
引っ張り直線性 たていと 0.59 0.68
よこいと 0.47 0.55
引っ張りエネルギー たていと 5.20N/m 6.89N/m
よこいと 11.45mN 13.14mN
引っ張り弾性 たていと 82.09% 67.62%
よこいと 72.38% 61.02%
最大引っ張り伸張 たていと 3.59% 4.12%
よこいと 9.86% 9.67%
シルク
クリーニング前 赤ワインで汚した後で、
クリーニング後
引っ張り直線性 たていと 0.72 0.60
よこいと 0.63 0.48
引っ張りエネルギー たていと 2.43N/m 3.92N/m
よこいと 7.21mN 7.33mN
引っ張り弾性 たていと 87.88% 72.50%
よこいと 71.14% 68.58%
最大引っ張り伸張 たていと 1.38% 2.68%
よこいと 4.69% 6.19%

ファブリックサンプルの弾性特性は、クリーニング工程によってほとんど変化していない。

通気性

各汚れにおける用クリーニング工程ごとの通気性の変動

ウール シルク
本来の通気性 605.4 643.2
ワイン 697.0 315.0
ケチャップ 622.0 285.0
潤滑油 580.0 330.0
血液 597.0 279.0
化粧 627.0 265.0
標準的な汚れ 611.0 256.0

注:通気性には1/m2・sの代わりにmm/sを単位とする。

ウールファブリックの通気性は、赤ワインのシミのクリーニング後、ごくわずかな変化が見られる。この結果とは異なり、汚れを付着させてクリーニングしたすべてのシルクファブリックサンプルでは通気性が低下している。数値としては、本来のシルクファブリックの通気性の値と比較して半分にしか過ぎない。クリーニング工程により明らかにシルクファブリックの密度が増加している。

要約

シルクファブリックの化粧品のしみは、クリーニング後も肉眼でわずかに確認できたが、すべてのファブリックサンプルに付着された汚れは、株式会社ハッピーによる洗浄工程で除去された。
クリーニング後の一部サンプルで以下の変色が目視で確認できる。

以下の汚れのクリーニング後に、ウールファブリックでは顕著に鮮明度が増している。
– ワイン
– ケチャップ
– 化粧品
以下の汚れのクリーニング後に、シルクファブリックではわずかに鮮明度が増している。
– ワイン
– ケチャップ
– 血液
– 汚れ
– 化粧品
また、クリーニング後、ファブリック密度に多少の増加が生じることが証明されている。

<試験条件>
通気
試験はDIN EN ISO9237に準拠
試験機器: 通気試験機
Textest FX3300
測定の種類: 空気流の測定
試験面積: 20cm2
圧力差: 100Pa
寸法安定性
試験はISO6330に準拠
機器: 定規

施設長 Prof. Dr. Klotz/研究所所長 Petra Glinde

まとめ

走査型電子顕微鏡を使った検査では、シルクにおいて、通常クリーニングを行なった場合、繊維表面の外観が大きく変化するはずだが、無重力バランス洗浄®方法においては、外観の変化はほとんど見られなかった。また、ウールにおいても損傷や変化の痕跡を残すことなく、すべての汚れのタイプが洗浄によりきれいになっている。
表面粗さについては、摩擦係数はまったく変わらなかった。
曲げ挙動については、ウールにおいて、クリーニング工程による変化は認められない。シルクに関しては、柔軟性を増している。
弾性特性はほとんど変化しなかった。
通気性に関しては若干、低下していることが確認された。

このニーダーライン大学の検査結果により、無重力バランス洗浄®方法がほとんど繊維に影響を与えず、風合いもそのままで、繊維の改質がほとんどおきていないことが確認された。

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